私が出会った日本の絶景をご紹介。
今回は静岡県富士宮市にある田貫湖からの絶景です。
こちらに日本の絶景を集めましたのでご覧ください。
田貫湖(たぬきこ)
■田貫湖
- 住所・・・・・静岡県富士宮市
- アクセス・・・新富士ICから車で35分(約24km)、河口湖ICから車で45分(約35km)
- 駐車場・・・・有り(無料)
- 営業時間・・・24時間
- 定休日・・・・なし
- トイレ・・・・あり
- 売店・・・・・なし
富士山周辺には、富士五湖と呼ばれる湖が並んでいます。富士山の東側から反時計まわりに、山中湖・河口湖・西湖・精進湖そして本栖湖。
ここ田貫湖は本栖湖のさらに20kmほど西へ走った先にある周囲約4kmほどの小さな人造湖です。
元は田貫沼と呼ばれていた小さな沼地でしたが、関東大震災の影響で周辺の水の供給をまかなっていた芝川の水量が減少したことから、農業用水をかくほするために造られた湖です。
田貫湖には北側と南側にキャンプ場があり、どちらも無料で24時間 駐車場が利用できます。
季節を問わず、南側のキャンプ場側に利用者が集中します。北側に比べると広くて設備も整っている事が人気の要因です。
さらに南側キャンプ場に隣接して宿泊施設(休暇村富士)があり、日中であれば日帰り入浴ができる事も利用者にとってはメリットになっています。
北側、南側ともに富士山を眺望できますが、より雄大な富士山を目の前で堪能できるのは北側キャンプ場になります。
今回の撮影ポイントは、田貫湖湖畔の北側キャンプ場からのご紹介です。
メモ
- 周囲約4kmの小さな人造湖
- 湖の北と南にそれぞれキャンプ場があり、年間通して空いている北側キャンプ場が撮影地
- 南側キャンプ場周辺は設備が整っており、日帰り入浴の施設も隣接している
- 富士山の絶景ポイントは北側キャンプ場
現地までの行き方
一周するとちょうど100kmある富士山外周道路。その北側は甲府方面、南側は静岡や沼津方面となります。
田貫湖は富士山の真西、時計の針で言う9時の方角に位置します。
東京都心や横浜方面からだと北回り、南回りどちらからでも同じくらいの時間と距離なので、道路の混雑具合によって走りやすい方を選ぶことになります。
北側ルート
北側ルートの場合は中央自動車道の河口湖インターが最寄りとなります。
インターを降りて右折。国道139号線を河口湖・本栖湖方面へ走ります。
30kmほど国道を走り、「朝霧高原の道の駅」「富士花鳥園」「ファミリーマート朝霧店」を過ぎると右手に「セブンイレブン」があります。ここから1.5km先の「畜産試験場北の交差点」を右折します。セブンイレブンからこの交差点までは目印は無い区間となります。
右折したら道なりに進みます。舗装はされていますが細くてカーブの多い道です。その突き当りが撮影ポイントになります。
南側ルート
南側ルートの場合は新東名高速の新富士インターが最寄りとなります。
インターを降りたら国道139号線、富士五湖方面へ向かいます。
20kmほど北進すると「田貫湖」の看板が出てきますので、案内に沿って左折します。
看板を見落としてしまったら、北側ルートでご紹介した「畜産試験場北」を左折してください。
メモ
- 北側ルート、南側ルートともに国道139号線を利用
- 国道からさらに西側に入り込んだ場所が撮影地
- 国道からの案内はあまりわかりやすくは無い
撮影地について
田貫湖には北側と南側にキャンプ場があり、今回の撮影ポイントは北側のキャンプ場駐車場を利用します。
こちらのキャンプ場は比較的空いていることが多く、時期や時間帯によっては誰もいないことも少なくありません。
この場所が混むのは、ダイヤモンド富士が見られる4月下旬と8月下旬の時期。
この時期の早朝だけは、湖畔を囲むようように路駐する車で溢れるほど人が集まってきます。
駐車場に車を停め、湖畔に降りると撮影地の一つ目です。(下図撮影ポイント①)
さらに田貫湖を左に見て湖畔沿いの遊歩道を進んだ場所も撮影ポイントが続きます。(下図青丸)
遊歩道を突き当りまで進むと、南側キャンプ場のエリアとなり、木製デッキのある撮影ポイントがあります。(下図撮影ポイント②)
今回の撮影地は「撮影ポイント①」です。②は別途記事を準備中です。北側キャンプ場側にある撮影ポイント①は、釣りをされる方も多い場所です。
夜間は車の中で仮眠をとられて、明け方に湖畔に降りてこられます。撮影する場所によっては、お互いに声を掛け合い、ゆずり合うことが大切です。
この湖畔で、撮影者と釣り人が険悪になっている場に何度も遭遇しています。
メモ
- ダイヤモンド富士の時期(4月下旬と8月下旬)以外は閑散としている
- 撮影ポイントは大きく3か所ある
- 北側の撮影ポイントは釣り人とゆずり合う必要がある
撮影に適した条件
田貫湖tips
地形的に風が弱く、穏やかな湖面には富士山の映り込みがとても綺麗に見える撮影地です。
特に夜間にはきれいな逆さ富士が見える機会が多いのも田貫湖の特徴です。ですが、決まって明け方にはさざ波が立ちます。これも地形的なものかと思います。しばらくすると落ち着くことも多いんですが、しらじらとした時間帯から日の出までずっとさざ波で写りこみが無いことも少なくありません。
また、明け方に鳥たちが一斉にねぐらから飛び立つ際、ぽたぽた・・ぽたぽたぽたぽた・・と頭上から振ってくるものがあります。タイミングが悪いと機材や撮影者にまで被害が及びます。
機材の結露対策として持ち歩いているツールが役に立ちます。
【国内正規品】OP/TECH オプテック Rain Sleeve 901322
この使い捨てレインカバーで夜間の結露対策と明け方の鳥の◯◯対策の一石二鳥になっています。
時期と時間
この撮影地では夜間~明け方にかけて出かける事が多くあります。夜は湖面に映る星空と富士山。明け方は日の出前後のパステルな富士山。そして季節によっては強烈な富士山ビームが見られる事があるからです。
この写真は7月上旬の朝5時。ちょうど富士山の左側から太陽が昇ってくる時期です。
月に数回でかけている田貫湖ですが、このタイミングに出会えることはほとんどありません。
条件として、
- 快晴か快晴に近い薄曇り
- 時期は7月初旬の夜明け前
近場に住んでいればまだしも、遠方から出かけてこのタイミングに出会うことは簡単では無いことを実感しています。
撮影方法
肉眼でも見る事ができる富士山ビーム。
この三角の光は、光源となる太陽の光が富士山を影にして現れるものです。さらに湖面に反射することでこのような見え方になります。
太陽の高度が低いと角度は広くなり、こちらの写真のように角度が狭くなるのは、太陽の高度が上がっているためとなります。
あと数分で富士山の裾野から太陽が顔を出してきます。
この富士山ビームは、空気の澄んだ快晴より、多少塵や水蒸気を含んだ空の方がはっきりと見えてきます。
そして、この光をどうやって写真に撮りこむのかが最大のポイントです。
太陽の高度といっしょに、刻一刻と光の筋は角度を狭めてきます。
手持ち+高速SS(シャッタースピード)で撮ると、薄っすらとしか光のラインが写りません。
できるだけクッキリと映しこむには、SSをかせぐ必要があります。
SSを長くし過ぎると、ラインがぼけてしまいます。露光中にも太陽の動きによってラインが動いているからです。
この露光時間が肝となります。
このようなシビアな状況の時は、機材は1台より2台あった方が歩留まりが高まります。
慣れてきたら、できれば3台あれば撮り逃しはもっと減るでしょう。
太陽の昇る速度(地球の時点の速さ)は想像以上に速いもので、気を抜く事ができない時間帯です。
メモ
- 空から降ってくる鳥の糞の対策が必要
- 時期と天候は事前に確認
- NDフィルターとカメラの設定を臨機応変に変更する
- カメラはできれば2台体制がおすすめ
まとめ
夜から明け方にかけて、幻想的な富士山の姿を眺める事ができる田貫湖湖畔。
駐車場から近く、空いていて、トイレや自動販売機も設置されている条件の整った撮影地です。
ダイヤモンド富士の時期だけは大渋滞がすることを踏まえて出かけていただければ、いつでも美しい富士山を堪能できること間違いありません。