春から秋にかけて日本中で発生するマダニ。
犬や猫などペットだけではなく、人間にも害を及ぼす寄生虫です。
マダニとは
マダニの生態
マダニは昆虫ではなくクモに近い生き物で、緑が多くて適度な湿気のある草むらなどに潜んでいます。
家の中にいるダニ(イエダニ)とは違って、外皮が固くて大きさも1mm前後から吸血後には10mmを超えるサイズになるものまでいます。
マダニと言っても種類は多く犬に寄生するのは、ヤマトマダニやフタトゲチマダニなど約20種類。その栄養源は血液。吸血の際にさまざまな病原体を媒介することがあります。
マダニの中には休眠をする種類もいて、数ヶ月から数年は何も食べずに生きる事ができる飢餓に強い生き物です。多くは春から秋(3月~11月)にかけて活動が活発になります。
メモ
- 昆虫ではなくクモに近い生き物
- 草むらに多く潜んでいる
- 家ダニとは違いサイズも大きい
- 栄養源は動物の血液(ペットだけではなく人にも吸血)
- ウィルスをたくさん持っている
マダニの一生
幼虫:
- 体調は約1mm
- 動物に寄生し3~7日間の吸血後、地表に落下し脱皮
若虫:
- 体調は約1.5mm
- 3~7日間の吸血後に地表に落下、脱皮し1~2週間後に再び寄生
成虫:
- 体調は4mm前後
- 1~2週間かけて吸血
メスの成虫
- 体調は1cmを超えることがある
- 吸血でふくらんだメスの成虫は地上に落下して産卵
- 2~3週間で2,000~3,000個の卵を産み生涯を終える
メモ
- 幼虫~若虫~成虫のライフサイクル
- 各ライフサイクルの中で地表に落下し脱皮、そして再び寄生
- 吸血でふくらんだメスの成虫は2000個以上の卵を産む
寄生の方法
マダニは動物の体温・体臭・物理的な振動に反応して、草むらから動物へ飛び移り、肌に吸着して血を吸い始めます。
マダニによる感染症
犬の感染症
マダニが犬に寄生したときに引き起こす症状をご紹介します。
- 貧血・皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎・・・強いかゆみ
- ダニ麻痺症・・・神経障害(弛緩性麻痺)
- マダニ媒介性疾患・・・貧血・発熱・横断・元気消失
- 日本紅班熱・・・発熱・全身の発疹、死亡リスクあり
- ライム病・・・発熱・食欲不振・全身性まひ・関節炎
- Q熱・・・軽い発熱や流産
- エールリヒア症・・・発熱・鼻汁・涙・食欲不振
- 犬バベシア症・・・貧血・発熱・食欲不振
人の感染症
マダニが媒介する感染症はいくつかありますが、特に2013年に報じられたSFTSウィルスによる感染症はご存知の方もいるかと思います。
SFTS
- 重症熱性血小板減少症候群のこと
- 2013年1月に国内で初、その後全国で症例確認
- 潜伏期6~14日
- 症状は発熱・食欲低下・嘔吐・下痢、重症化すると死亡リスクも
- 発祥時期は4月中旬から11月下旬
- 50歳以上の男性が多く致死率は20%を超える
- 西日本に多い傾向
マダニが媒介するそのほかの感染症
- 日本紅斑熱・・・かゆみの無い発疹や発熱。
- Q熱・・・
- ツツガムシ病
- ライム病・・・
- 回帰熱・・・
- ダニ媒介性脳炎・・・脳炎による神経症。死亡や後遺症の恐れもある。
マダニが寄生しやすい場所
マダニは目のまわり・耳の内側・腹部・内またなど、毛の少ない部分に寄生します。
マダニの予防と対策
予防
マダニは春から秋にかけて活発になります。この時期は、首筋にたらすスポットタイプの予防薬やおやつタイプの飲み薬を定期的に投与することをおすすめします。
また、マダニは付いてしまっても、48時間以内に駆除ができれば病原体の危険性は少ないと言われています。
お散歩から帰ったらマダニのチェック。1mm前後の黒い粒を見つけたらマダニを疑ってください。
顔のまわりや体の表面に点々と付いていることがあり、一見すると草の実のようにも見えます。よく見ているとゆっくりと動いていることがわかります。
左の写真を見てみてください。
どこにマダニがいるかわかりますか?
この時、私はマダニにはまったく気付かず草の実がいっぱい付いているだけかと思っていました。
この写真を撮ってから帰宅するまで8時間以上が経ってしまい、帰ってからは大変なことになりました。
お腹やおしりまわりにびっしりとマダニが食いつき、持って行ったお散歩バッグの中にもマダニが入り込んでいる状況。
わが家は猫も2匹いるので、移ってしまったら大変なことになります。でも動物病院はとっくに終わってる時間・・。
この時の状況は現在進行中なので、随時記事を更新していきます。
このようなことにならないように事前の予防と対策が必要になります。
マダニの駆除(取り方)
すでにマダニに寄生されている場合は少しでも早く動物病院へ連れて行ってください。
普段のお散歩帰りにマダニを見つけた時は、専用の器具で定期的に駆除することが大切です。
吸血中のマダニは口器を強力に肌に潜り込ませているため、なかなか取りのぞくことができません。無理に取ろうとすると口器が体内に残ってしまい、化膿やウィルスのまき散らしの原因となってしまいます。
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気が付いたら犬の肌にマダニが食いついていて、器具でも取れなそうな場合は無理してマダニを引き抜こうとせずに動物病院へ連れて行ってください。
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まとめ
今回はマダニについて、その生態や特徴、予防や駆除方法について簡単に触れていきました。次回からは予防薬の効果や器具の使い勝手、いっしょに飼っている猫への影響と対策などについてご紹介していきたいと思います。